天然ゴムを使うこと
丸榮日産が創業時から変わらないもの、それは「最高級グレードの天然ゴムをつかうということ」です。今では創業後に各種開発された合成ゴムも一部使用しておりますが、ほとんどの製品が天然ゴム主体で製造しております。そこには3つの大きな理由が存在します。
「人へのやさしさ」と「ゴムらしさ」の共存
私たちの身の周りには様々なゴム製品が存在します。大きなものは自動車やオートバイのタイヤ、小さなものは水道やガスのパッキンや輪ゴムまで。
我々がつくりだす糸ゴムやゴムテープも小さな細かいゴム製品の部類に入るでしょう。糸ゴム、ゴムテープの使い道は様々ですが、大きな分野でいうとアパレル関連や水着です。
アパレルも水着も直接人肌に触れることはありませんが、かなり肌に近い箇所に使用されています。必要とされるポイントは多数にのぼります。その中で最も大切なのが「やわらかく伸びる」こと、しかも「しっかりと縮む」ことです。この人肌にとってのやわらかさを「人への優しさ」ととらえていただいて構いません。またしっかり縮むことは「もとの長さ・形にやさしく、きちんと戻ること」と言いかえることができます。実はこの「もとの長さにきちんと戻ること」がゴムの最大の特徴であり、その特性を一番引き出すことができる原材料が天然ゴムなのです。
「人にやさしいやわらかさ」と「きちんともとに戻ること」をもっとも高い次元で両立できるのが天然ゴムです。
「長く使える」こと
「(洗濯などの仕様に対して)耐久性が高いこと」も求められるポイントにあげられます。最近では伸縮性のある樹脂系の素材が多くのアパレルに使われています。多くのメリットがあり、今では多岐にわたって使用されている優れた素材です。大量生産・大量消費の経済には向いています。一方で水や洗剤に弱く、伸縮素材としての特性を長く保持することが難しい一面もあります。
かたやゴムはカーボンなど耐久性を高める充填剤を混ぜることで、非常に高い耐久性を発揮し、タイヤやベルト、ホースなどの工業品に多く使われてきた歴史があります。
我々の作る糸ゴムやゴムテープはカーボンを一切使用していませんが、長く使っていただくことに関しては同様に捉えており、我々の得意分野の一つであります。
特に天然ゴムは水に強く、長年培ってきた劣化に強い配合技術との組み合わせにより、何度も洗濯をしていただくような環境でも十分に長く使っていただけます。また最高級グレードの天然ゴムを使うことで切れにくく、高い耐久性を保持することにもつながります。
最高品質の天然ゴムをつかうことが、結果的に長く使っていただくことになるのです。
「環境へのやさしさ」
天然ゴムはパラゴムノキという木の樹液からできています。これをラテックスといいますが、このラテックスをとるためにタイやインドネシア、ベトナムでは多くのゴムの木が植樹されています。かたや合成ゴムやストレッチ樹脂系の伸縮素材は石油から作られています。それぞれの良さがあり、どちらが良いということは言えません。
しかしサステナブルな循環型社会を実現していく上で、天然ゴムの果たす役割はとても重要と考えています。
パラゴムノキは植樹をしてから5年ほどでラテックスを採取できるようになり、25~30年かけて採取が可能になります。その後も同じ場所、同じ時期にパラゴムノキを植樹することによって管理ができるサステナブルで循環可能な環境を作り出しています。
パラゴムノキは植物なので、当然ながらCO2を吸収し酸素を放出する、CO2削減効果を持ち合わせています。弊社が年間使用する天然ゴムをパラゴムノキ作付面積に当てはめると約130ヘクタールに相当します。この作付面積がもたらすCO2削減効果は年間約3,000トンにものぼり、改めて天然ゴムの地球環境にもたらす高い将来性を感じることができます。
天然ゴムを使うことが高いCO2削減効果をもたらし、将来へのサステナブルな地球環境の保全にも役立っています。